株式会社エドガ
開始報告
株式会社エドガは2022年10月4日(火)より、東京都立田無工業高等学校においてプロジェクトを開始いたしました。
東京都では、生徒 一人ひとりの個性や能力を最大限に伸ばす学び を 実現する「東京型教育モデル」を推進しており、 急速に進む技術革新に対応できる専門的職業人材の育成 に向けたデジタル技術の活用について取り組んでいます。足場の組み立てに関する理解や安全に対する認知をテーマに、建築科の生徒に株式会社エドガの「KEIKEN CLOUD」でVR実習を体験していただき、学習効果向上及び教員の負担削減効果を検証してまいります。
本プロジェクトは2023年2月上旬まで実施いたします。
最終報告
東京都立田無工業高等学校において行われていた、株式会社エドガのプロジェクトが2023年2月に完了しました。
株式会社エドガは、同社のVR学習プラットフォーム「KEIKEN CLOUD」を活用して、仮設工事計画をシミュレーションできるVR教材実験を田無工業高等学校の建築科の生徒に体験いただきました。体験した生徒には教材の内容・操作の容易性などをアンケートで評価していただき、危険が伴う実習を行う際の事前学習の高度化や、危険性やリソース制約により体験できない教育の実現可能性などを検証しました。
まず、VR教材活用による理解度向上の検証においては、体験した生徒全員が、VRを活用することで学習に対する理解度の深まりや記憶の定着に寄与すると評価しました。また、建築における作業工程の学習に対しても寄与すると評価されました。
VR教材活用による、学習内容の理解度向上効果(N=12)
また、作業の危険性やリスクへの理解度についても、体験した生徒全員が、VRを活用するで建設現場における危険性・リスクの体感、ミスが起こり得る箇所への認知向上に寄与すると評価しました。定性的な評価のみならず、生徒の心拍数の変化からも、VRが高所作業を再現できており、緊張感を与えられていると考えられます。
VR教材活用による、作業の危険性やリスクへの理解度向上効果(N=12)
VR活用時における心拍数の変化度合い
研修実施業種への理解醸成効果についてはVRを活用することで、実際に働く現場や業務イメージを具体化する効果が一定あることが確認でき、職種に関する興味を引き立たせ、就職活動にも影響する可能性を秘めていると考えられます。また、建築分野での最先端技術の活用についても興味・関心に対しても一定の効果が確認され、将来産業を担っていく人材の育成にも寄与すると想定されます。
VR教材活用による、研修実施業種への理解醸成効果(N=12)
建築分野におけるX-Tech活用への興味・関心の喚起(N=12)
VR教材を体験した教員からも、VRのリアルさ、内容の充実度合いについても好意的な声が確認され、全員がVR活用で「授業の準備時間を削減できる」と回答いただきました。内容と授業の頻度次第では、教員の負荷軽減に対しても一定の効果があると考えられます。
以上の検証結果を以て、最先端技術の活用による教育の高度化・教員の負荷軽減の検証において、株式会社エドガが提供する「KEIKEN CLOUD」の有用性は高いと考えられます。一方で、足場の安全教育という単独コンテンツのみならず、親和性が高い分野についてコンテンツを拡充し、プロダクトの充実が求められるなど、普及に必要な対応事項等も整理されました。
※実証実験終了日(2023年2月時点)の情報です。
2023年9月29日現在(更新日時)、当該企業は廃業しております。