スタートアップ企業の成長と課題解決~スタートアップ都市・東京の実現に向けて~
- DATE
- 2021年 3月 2日 (火)13:00~14:30イベントは終了
いたしました
本事業は、スタートアップ企業のプロダクト・サービスを用いた都政現場での実証実験を実施し、スタートアップ企業の成長への寄与、および東京都が抱える社会課題の解決を目的としています。
本イベントでは、実証実験の取組結果について採択スタートアップ企業より報告していただくと共に、各社の今後の展望等や論点等について、スタートアップ支援の専門家や日本発ユニコーン企業の経営メンバーを交え、ディスカッションを行います。
当事業の取組内容・結果のご報告と主に、「スタートアップ都市・東京」の実現への機運を醸成することを目的として企画・開催するものであり、スタートアップ企業や支援者・支援機関に限らず、自治体関係者、関連企業も含めた多くの方のご参加をお待ちしております。
プログラム内容
スタートアップ都市・東京の実現に向けて
米津 雅史(東京都デジタルサービス局特区推進担当部長)
キングサーモンプロジェクトの概要紹介
キングサーモンプロジェクト事務局(デロイトトーマツコンサルティング合同会社)
採択スタートアップ企業による実証実験結果の報告
折原 大吾 氏(株式会社イノフィス 代表取締役社長)
加藤 史子 氏(WAmazing株式会社 代表取締役/CEO)
谷口 直嗣 氏(Holoeyes株式会社 代表取締役/CEO兼CTO)
中西 敦士 氏(トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 代表取締役)
パネルディスカッション
~スタートアップ企業の成長と課題解決に向けた成果と今後の課題~
- モデレーター
- 浜田 敬子 氏(ジャーナリスト、前Business Insider Japan 統括編集長)
- 登壇者
- 仮屋薗 聡一 氏(株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナー)
山口 太一 氏(株式会社TBM 執行役員 CSO)
採択スタートアップ企業4社
※スケジュール並びに内容は予告なく変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
モデレーター情報
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ジャーナリスト
前Business Insider Japan統括編集長/元AERA編集長浜田 敬子 氏
1989年、朝日新聞社に入社。週刊朝日編集部などを経て、99年からAERA編集部。副編集長。編集長代理を経て、2016年編集長に就任。2017年3月末で朝日新聞社退社。
2017年4月より世界17カ国に展開するオンライン経済メディアBusiness Insinder Japan統括編集長に就任。2020年12月末退任。
「羽鳥慎一モーニングショー」「サンデーモーニング」などのコメンテーターや、ダイバーシティーや働き方改革についての講演なども行う。著書に『働く女子と罪悪感』(集英社)。
登壇者情報
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株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー
一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 名誉会長仮屋薗 聡一 氏
株式会社三和総合研究所での経営戦略コンサルティングを経て、1996年、株式会社グロービスのベンチャーキャピタル事業設立に参画。1号ファンド、ファンドマネジャーを経て、1999年エイパックス・グロービス・パートナーズ設立よりパートナー就任。2006年マネジング・パートナー(現代表パートナー)就任、現在に至る。
2015年より一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会会長、2019年より同協会名誉会長を務める。慶應義塾大学法学部卒、米国ピッツバーグ大学MBA修了。 -
株式会社TBM
執行役員 最高経営戦略責任者山口 太一 氏
富士ゼロックス株式会社に入社後、プロダクションサービス営業本部にて新規ビジネス開発を担当。その後プライスウォーターハウスクーパース(PwC)株式会社にて事業再生支援、M&A支援のプロジェクトマネジメントに従事。2015年9月、株式会社TBMに入社。
経営企画本部にて事業戦略・事業計画および資本制作の策定、新規事業・事業会社とのアライアンス等を推進。
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株式会社 イノフィス
折原 大吾 氏
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WAmazing株式会社
加藤 史子 氏
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Holoeyes 株式会社
谷口 直嗣 氏
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トリプル・ダブリュー・
ジャパン 株式会社中西 敦士 氏
各社の詳細は「採択企業紹介」のページにてご参照ください。
採択企業紹介申込・参加方法
参加費 | 無料 |
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会場 | Zoom ※お申込みいただいた方に開催前日までにミーティングURLをご連絡いたします。 |
定員 | 150名 |
申込期間 | 2021年2月2日(火)~3月1日(月) |
※申込に際してご記入いただく内容はSSL暗号化通信により内容の保護を図っております。
※お申し込みは1名様ずつ登録が必要となります。
当日レポート
3月2日(火)に、「スタートアップ企業の成長と課題解決 ~スタートアップ都市・東京の実現に向けて~」を開催いたしました。
オンラインで開催された当イベントには、 スタートアップ企業や大企業、自治体関係者など様々な分野から、約140名にご参加いただきました。
イベントの始めには、東京都 戦略政策情報推進本部 特区推進担当部長の米津様よりご講演頂き、東京都におけるスタートアップとの連携の目的や東京都が目指すスタートアップとの協業プラットフォームとしての「スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム」に関してご説明いただきました。
その後、各採択スタートアップより、実証実験の内容について報告いただきました。今年度、実証実験を行った株式会社イノフィス、トリプルダブリュージャパン株式会社、Holoeyes株式会社より実証実験の概要および結果についてご報告いただき、来年度、実証実験を実施予定のWAmazing株式会社より、実証実験の内容についてご説明いただきました。
イベントの後半には、スタートアップ都市・東京の実現に向けて取り組むべき課題やスタートアップ企業の成長について、パネルディスカッションを実施しました。パネルディスカッションは、採択スタートアップ企業の代表者に加え、モデレーターの浜田敬子様、ゲスト登壇者の仮屋薗聡一様と山口太一様を交えて実施しました。パネルディスカッションでは、本事業を通じてどのような成長が実現できたか、どのように社会課題解決に寄与することができたのか等の点から本事業を評価すると共に、各スタートアップ企業がさらに成長していくために検討するべき内容などについて議論いただきました。
アーカイブ動画
アーカイブ動画視聴後には、アンケートへのご協力をお願いいたします。
アンケートはこちらから- 開会
- スタートアップ都市・東京の実現に向けて
- キングサーモンプロジェクトの概要紹介
- 採択スタートアップ企業による
実証実験結果の報告 - 株式会社イノフィス
- トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社
- Holoeyes株式会社
- WAmazing株式会社
- パネルディスカッション~スタートアップ企業の成長と課題解決に向けた成果と今後の課題~
- 【00:00~01:30】
開会 -
DTC田中
ただいまより令和2年度、「キングサーモンプロジェクト」の「スタートアップ企業の成長と課題解決~スタートアップ都市・東京の実現に向けて~」を開催いたします。本日の司会進行を務めさせていただきます、事業プロモーターのデロイトトーマツコンサルティングの田中と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
まずはじめに、本日のプログラムをご案内させていただきます。プログラム1「スタートアップ都市・東京の実現に向けて」を、東京都 戦略政策情報推進本部 特区推進担当部長の米津様よりご講演いただきます。続きまして、プログラム2「キングサーモンプロジェクトの概要」を私からご説明させていただき、プログラム3「採択スタートアップ企業による実証実験結果の報告」を行います。最後に、「パネルディスカッション ~スタートアップ企業の成長と課題解決に向けた成果と今後の課題~」を実施いたします。本イベントは、13:00~14:30の1時間半を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、さっそくではございますが、東京都 戦略政策情報推進本部 特区推進担当部長の米津様よりご挨拶をいただきます。米津様、どうぞよろしくお願いいたします。
- 【01:30~05:30】
スタートアップ都市・東京の実現に向けて -
東京都米津
ただいまご紹介いただきました、東京都 米津でございます、よろしくお願いいたします。本日は盛りだくさんなスケジュールになっておりますので、ぜひ最後までお付き合いいただければなというふうに思います。私のほうからは、本事業に伴うその背景として、スタートアップ支援していくにあたって東京どういうところを目指しているのかということの概略をですね、まずご説明したいなというふうに思います。
次、お願いいたします。次のページ、はい、ありがとうございます。そもそも私共キングサーモンプロジェクトということで名付けている取り組みなんですが、これまさに、事業目的のところにございますが、スタートアップ、世界を席巻するようなサイクルっていうのをそのうまく確立していくということのテストベッドとして、東京都もアーリーアダプターとしての役割を果たすことでですね、世界に出ていっていただける、活躍していただけるスタートアップをなるべく多く増やしていこうということでございます。そういう意味では、私共がその実証実験の場を提供したり、またその公共調達の促進をしつつ、これをうまく水平展開していくという取り組みが必要になってくるのかなということでございまして、本日お越しの皆様におかれては、ぜひ先進的な事例とした後で、(本日の)プログラムにも出てきていただける皆様のその状況をですね、よく聞いていただけると大変幸いかなというふうに思います。
次のページお願いいたします。そういう意味では、私共はその背景として、まさに「スタートアップとの協働」する意識の醸成ということで、いろんな取り組みを行なっております。その中で、スタートアップ(との協業に)に資するような取り組みとして、まさにキングサーモンプロジェクトをやってるという位置付けの整理でございます。
次のページお願いいたします。そういう意味ではその背景として、「スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム」。国のお墨付きをいただきながら、スタートアップが世界で活躍するような取引環境、また成長のための環境づくりをしているということでございます。
次のページお願いいたします。その意味では、非常にその広範な皆様にご協力をいただいております。その中で1つ肝になってくるのが、特に大学や大企業が東京には集束しているわけでございまして、この力を最大限活用していくということが大事なのかなと。そのために国の仕組みであったり、規制緩和も含めたいろんな取り組みを集中的に投入していこうということでございまして、その一環としてキングサーモンプロジェクトもやっているということでございます。
次のページお願いいたします。具体的には、そうした取り組みの背景としていろんなご議論をいただいております。ここでは3つ挙げてございますが、1つは大学を中心として拠点を強化していく、知の集積をさらに活用していこう。それからそのグローバル的に、当然そのいろんな諸条件、ダイバーシティも含めて整理していかなければいけないという点。それからポストコロナ、なかなかウィズコロナということで難しい時代でありますけれども、その時代におけるイノベーションということを創出していくための点について、大所高所から議論をいただいていて、そうしたことを具体的な事業の中で現出していければいいかなということでございまして。この後、そうそうたる皆様にも加わっていただいておりますので、ぜひご観覧いただければというふうに思います。私からは以上です、よろしくお願いいたします。
- 【05:30~09:28】
キングサーモンプロジェクトの概要紹介 -
DTC田中
米津様、ありがとうございました。続きまして、私よりキングサーモンプロジェクトの具体的な内容について、改めてご説明させていただきます。今ほど米津様からキングサーモンプロジェクトの背景、目的についてお話しいただいた中で、具体的な事業内容としましては4つございます。
1つ目は、実証実験で都政現場における社会課題解決の実現に向け、スタートアップのプロダクト・サービスを用いた実証実験を実施いたします。
2つ目は、先ほど米津様からありました実証実験の成果が認定されたプロダクト・サービスに対し、東京都での随意契約につなげていく取り組みでございます。
3つ目は、採択スタートアップの海外販路拡大に向けて、海外展開にかかる戦略立案や実行支援を実施いたします。
4つ目は、本事業で得られた成果を「スタートアップ×社会課題解決」の成功モデルとして、後続のスタートアップ企業などへ情報発信等を実施していきます。
これら取り組みに関しまして、令和2年度の取り組み状況のサマリーでございます。まず、実証実験については採択スタートアップのうち3社が今年度実証実験を実施しており、1社は来年度に実施予定でございます。なお実証実験の内容、結果につきましては、後ほど各スタートアップ企業によりご報告させていただきます。公共調達の促進については、実証実験を実施した3社の成果を整理し、公共調達に向けた準備を進めております。海外販路拡大に向けた戦略立案、および実行支援については、各採択スタートアップ企業のターゲット市場の分析や、分析結果を踏まえた戦略立案を行うとともに、ピッチイベントや海外企業とのマッチング等を予定しております。最後に、水平展開においては後続スタートアップ育成に向けて、他の東京都事業と連携したセミナーであったり、「スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム」の会員大学の学生の皆様に対するイベント等を行なっております。令和2年度における取り組みサマリーは、以上となります。
なお取り組み内容の詳細は、本事業のホームページに掲載しております。ご興味がございましたら、「東京都 キングサーモン」と検索いただければ、検索結果のトップに出てまいりますのでご確認いただければと思います。以上が、キングサーモンプロジェクトの概要説明になります。
続きまして、採択スタートアップ企業による実証実験結果の報告に移らさせていただきます。
今年度の実証実験の実施においては、3つのテーマでスタートアップを募集し、「ロボットやウェアラブル機器を活用した看護・介護支援」で株式会社イノフィス、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社の2社、「都立病院におけるICTの積極活用」でHoloeyes株式会社、そして「東京国際クルーズターミナル開業の機を捉えたインバウンド観光振興」でWAmazing株式会社、以上、4社を採択しております。本日は今年度実証を行なった株式会社イノフィス、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社、Holoeyes株式会社より実証実験の概要および結果についてご報告いただくとともに、来年度実証を予定しておりますWAmazing株式会社より、実証内容についてご説明いただきます。
- 【09:28~15:58】
採択スタートアップ企業による実証実験結果の報告:株式会社イノフィス -
DTC田中
それではまず、株式会社イノフィスの代表取締役社長、折原様。どうぞよろしくお願いいたします。
イノフィス折原
株式会社イノフィス、代表取締役折原でございます、よろしくお願いいたします。私のほうから、今回のマッスルスーツの福祉現場における有用性および導入に関する検討のご報告をさせていただきます。はじめに、マッスルスーツを開発していますイノフィスですが、2013年に設立されました、東京理科大学初の大学発ベンチャーになります。私共が扱っている、開発している製品は、マッスルスーツと呼ばれる腰補助の製品になります、装着型のアシストスーツというカテゴリになりますが。こちら特徴といたしましては、バッテリー等一切、電気を使わない空気のみで動くというところに非常に特徴があります。加えて、非常に軽量で大変強い補助力を出すことができるということが特徴になります。また価格にいたしましてもですね、従来当社の製品500,000円ほどしておったのですが、136,000円という価格まで下げることによって現場でご使用いただける価格帯まで下げてきているというのが特徴でございます。現在マッスルスーツEveryはですね、非常にいろいろな場面でご利用をしていただけるようになりました。従来の製品が主ターゲットとしていました介護・介助に加えまして、工場や農業、建設や物流といったところに現在用途が拡大しております。
イノフィスが目指す社会課題解決、キングサーモンプロジェクトということに関しまして、少し述べさせていただきますが、イノフィスは私共のミッションとしてですね、生きている限り自立した生活を実現したいというものを掲げています。少子高齢化においてですね、中高年を中心としたQOLの改善に資するですねロボットを開発していくことで一人一人がですね、より充実した人生、または仕事を行なっていくということを実現していきたいというふうに考えています。私共ですね、先ほど申し上げましたマッスルスーツですが、現在16,000台の累計の販売実績があります。東京理化大学と連携を行なって、東京都で産官学連携といった形ができているのではないかなというふうに考えております。今回の取り組みはですね、介護・介助、農業、工場、物流とさまざまな業界においてですね、少子高齢化というものが発生しています。現場の労働力不足、高齢化といった問題、こういったものはですね、ある意味日本が課題先進国であると私達は考えています。イノフィスとしては、この課題先進国の日本からですね、こういった製品を発信して、そしてやがて世界へ発信、活用されるような製品に育て上げていきたいと、このように考えています。
今回のですね、実証実験について次に述べさせていただきます。今回実証実験はですね、東京都の社会福祉事業団日野療護園というところで実証実験をさせていただきました。そちらですね、非常にあの入居者様としては幅広い年齢27歳から86歳といった方が入居されている施設でございます。そちらの課題として、介助職員、職員様のですね、身体的な負荷、腰痛など、これを低減したいという話。それから、アシストスーツの利用促進に向けて必要な要素を出していこうといった、こういった取り組みを行なっております。実証実験の中身としましては、目的としては、マッスルスーツEveryを装着して各業務を行うことでどの程度負荷が低減されるかということになります。具体的には定性的なアンケート、それから定量的な筋電計を使った負荷の測定、それからモーションキャプチャーを使った負荷のシミュレーションを行なっております。
内容を簡単にご説明しますが、おむつ交換、体位変換、入浴、移乗といった業務について18台マッスルスーツをお貸し出しして、そちらでご活用いただきました。まずアンケートの結果でございますけれども、結論から申しますと痛みのある部分、それから介護の疲労度、ストレスの状態、こういったものを確認しましたけれども、どれもおおむね改善傾向がございました。続きまして、モーションキャプチャーそれから筋電における調査でございますが、筋電計をつけて実際の動作を行なっていきますと、こちらの左のほうにございますように、マッスルスーツありなしで、4割それから3割程度ですね、負荷が低減したということがいえるということが分かってまいりました。またモーションキャプチャーにおきましても、このピークの山が低くなっておりますが、負荷レベルが低くなっているということが見えてまいりました。
今後実験の結論、示唆に関連しましてですが、定量、定性的な観点で効果というものが実証できたというふうに考えております。一方で、確かにEveryの装着、大きさですね、置き場所、そういったものが懸念点として指摘されたという事実もございました。今後私共といたしましては、介護の現場におきまして、さらに使っていく場所というものが増えていくだろうというふうに考えておりますが、さらに効果を出すためには一部の業務の見直しということでより集中して作業が行えるような形にしていただくのがよろしいかと思います。以上、簡単ではございましたが、私のほうから実証実験の効果についてご説明をさせていただきました。ありがとうございます。
- 【15:58~21:55】
採択スタートアップ企業による実証実験結果の報告:トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 -
DTC田中
折原様ありがとうございます。続きまして、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社、代表取締役中西様、どうぞよろしくお願いいたします。
トリプル中西
こんにちは、トリプル・ダブリュー・ジャパン代表の中西と申します。弊社、排泄予測デバイス「DFree」を開発し展開しておりますけれども、特に急性期病院における自立排泄支援の実証実験について説明をいたします。簡単に概要を説明しますと、弊社2015年に設立した会社でして、およそ約6年設立してから経っております。こちらの排泄予測デバイス「DFree」の企画、開発、販売を行なっております。簡単にデバイスの紹介をしますと、超音波ウェアラブルデバイスになっていまして、こちらを膀胱、下腹部のですね、下部に膀胱の表面に貼ることによって、膀胱が今10段階でどれくらい膨らんでいるかというのを計測してスマートデバイスに表示するというものになっております。現在法人向けということで介護施設ですとか、慢性期病院等で使っていただいている法人向けのサービスと、個人の方で使っていただいております個人向けサービス、この2つの展開をしております。
今回の実証の目的ですけれども、この排泄、失禁ですね、頻尿ですとか、そういった下の悩みを抱えてらっしゃる方、高齢化とともに非常に増えております。特に大きな病気をして、急性期病院なんかに入院した場合ですけれども、実際に在宅復帰できるかどうかというところの要素でいいますと、この自立排泄、トイレでしっかりと、トイレで排泄ができるかどうかというのが非常に大きな要因となっております。特にこの脳卒中という病気になりますと、こちらがですね、要介護状態になる原因の病気である1番目か2番目ぐらいの非常に大きな要因となる病気なんですけれども、特にこの要介護という状態になりますと、在宅でのトイレの排泄ケアですね、この介助は非常に負担があるというところがありますので、いかにこの病院の中でですね、この自立排泄、トイレに行けるようになれるかということが非常に大事だということがあります。一方で、やはり現状ですと、そのトイレのタイミングがなかなか外から見てもわからないというところで、看護師はなかなかそのトイレにしっかりと積極的に誘導するということに関しですね、負担感を感じているという現実があります。これを我々のデバイスを使ってしっかりと自立排泄というものを促して、そして現場の看護師の負担感を軽減するというところが実現できるかどうかという実証を行いました。
こちら都立の病院、広尾病院と墨東病院、脳神経外科・脳神経内科というところで実証しております。「DFree」を装着した前後3日間で実際その失禁度合い、自立排泄度合いがどうなったか、看護師の負担がどうなったかということを調査しました。おおむねですね、自立度の変化ということでいいますと、過半数の方が自立排泄度が改善したですとか、実際に失禁が減った、あるいは看護師の負担感も減ったという結果を得ております。具体的にいいますと、自立度の変化でいいますと、改善した方が下半数53.6%ですけども、そもそも状態が非常に悪かったと、急性期ですので、そういった方が維持した方が46.6%で、悪化した方は0%だったという結果を得ております。全体的には排泄自立度は20%向上しました。具体的にはこういったようなグラフがですね、膀胱の膨らみの時系列で見ることはできるんですけれども、黄色のタイミングでトイレに誘導してもらって、実際トイレで排泄できたというような事例になります。
排泄状態というところですけども、実際にトイレでの排泄が37.1%改善して、失禁も32.4%減ったと。一方トイレに誘導してもですね、出ないという、こちら空振りというんですけども、この空振りが増えるとですね、やはり看護師、かなりの負担感を感じるんですけども、この空振りも大きく減らすことができたと。一方おむつの交換枚数も、35.7%減らすことができたという結果を得ております。看護師としてはですね、負担感というところでいうと非常に負担感が減ったという結果を得ていますし、排泄ケアに関してそもそもやはり命に関わるようなところがですね急性期だから優先されるんですけども、この排泄の自立ということに関しての意識も高まったというような結果も得ております。
今後ですけれども、非常にフィードバックを得まして、通信状況がなかなか安定しなかったと。都立の病院になかなかWi-Fiですとか、インフラが整ってなかったというところがあるんですけれども、こちらを改善していくことですとか、装着時の負担があるということで小型化をするですとか、あとは現場の習熟度に差が出たというところありますので誰でも簡単に使えるようなUI、UXの改善、高度な生産、改良というところにつなげていきたいなというふうに思っております。
こちら小型化した商品も今年の6月には法人向けにローンチする予定であります。
今後ですけれども、しっかりと病院ではじめて実証の結果が得られましたので、こちらをもとに病院でのビジネスモデルというのを構築してですね、病院での活用というのをどんどん広げていきたいと、これを国内だけではなく海外にも広げていきたいというふうに思っております。
成果としましては、入院している方、されているか、実際に病院で働かれている方、非常に効果があったというところで、私としても、都民で良かったなというふうに思ってますし、入院するなら都立病院だなというふうにしっかりと感じることができました。これをさらに世界にどんどん発信していきたいなというふうに思っております。ありがとうございました。
- 【21:55~28:45】
採択スタートアップ企業による実証実験結果の報告:Holoeyes株式会社 -
DTC田中
中西様、ありがとうございます。続きまして、Holoeyes株式会社、代表取締役CEO兼CTO谷口様、どうぞよろしくお願いいたします。
Holoeyes谷口
はい、ただいまご紹介に預かりましたHoloeyes株式会社の谷口と申します。弊社はですね、こういったVRであるとか、それからAR、それから最近ではMixed Realityと呼ばれるテクノロジーを利用した医療向けのサービスを提供しております。
何をしているかというのを具体的にご紹介いたします。まずこの一番左の画像、これはCTスキャンの画像で、からだを輪切りにしてX線で撮影したものです。この真ん中、この3D Volume renderingと書いてあるんですけれども、ここまではですね、2次元のCT画像から3次元を構築して、みるということは病院の中でされているというわけですね。ただですね、この真ん中のVolume rendering、非常に(からだの)中を立体的に見れて便利なんですけれども、実際の手術、それから我々のからだというのは3次元で、文字通りですね、この2次元のこの2Dのモニター、もしくはスクリーンと我々の3次元のからだでは、1つ次元が違うというわけですね。そのギャップを埋めるのが弊社のサービスで、こういった3次元の構築したものをですね、こういったVRヘッドセットであるとか、Hololensのようなゴーグルを使って実際に3次元でそのまま見せてあげるというのが弊社のサービスでございます。
弊社のサービスで今回の実証実験の目的としてはですね、こういった2次元の情報をベースにで、手術、それから研修、やっているっていうところを我々のこのVRのアプリケーションを使ってどれくらいそれが改善できるかというところですね、前向き介入研究を行いました。
実証実験の場所は2つの都立病院です、都立墨東病院、それから多摩都立総合医療センターの2つの病院です。主にですね、肝臓・胆道・膵臓、そこの外科医の先生方に使っていただきました。前向き介入研究といって、ある時点からこのいくつかの症例について3次元構築をして理解度を測りました。合計で肝、胆、膵(肝臓、胆道、膵臓)が28件となっております。こういった感じで実際の、この非常に複雑な膵臓まわりの血管なんかをですね、ホログラムで見るというふうなことをしていただきました。
では簡単に結果をご紹介いたします。このグラフはですね、この一番左側が普通の2次元の画像ですね。真ん中がその3次元構築した画像、それから赤いところが弊社のVRを使った画像というところで、その画像を見てですね、どれくらいその患者の理解度があったかっていうのをアンケートベースで行いました。やはりですね、これからどんどんどんどん吸収していくっていう若い医師のところですね、非常に大きなその理解度の改善がありました。若手だけではなくてですね、非常にその高度な手術をするベテランの医師にも効果がありました。この赤いところはですね、Volume rendering、それから2Dのモニターで見ているのと、弊社のVRアプリを使って3次元で見ているというふうなところを比べた値でございます。はい、どのようにテストしたかというと、こういったアンケートを都立駒込病院の脊山医師につくっていただいて、このようにその全症例に対してですね、どれくらいの理解度があったかというのをアンケートベースで行いました。このアンケートを集計した結果が先ほどのグラフでございます。はい、グラフだけだとあんまり味気ないので、実際どういうところに弊社のサービスの有効性があったかというのをご紹介いたします。この膵頭十二指腸切除ですね、膵臓の頭の部分に腫瘍ができたという場合にはですね、そこだけを切り取るのではなくて、この十二指腸であるとか、肝、胆、膵(肝臓、胆道、膵臓)のこの辺りをバッと切ってですね、さらにこの複雑なつなぎ合わせをするわけですよね。こういったつなぎ合わせをするときに、非常にですね、この膵臓まわりの血管であるとか非常に複雑であると、しかもこの血管がですね、教科書通りに走行してる人ってなかなか珍しくて、いろんな個性があるということですね。これに対してですね、非常にベテランの15年以上の経歴を持つ医師の方も理解できたというふうな言葉をいただいております。簡単に弊社サービスを使ってどういう効果があったかということをまとめます。直感的に理解できる、それで手術を安全、安心に行うことができるということで、医師の負担を減らすことができました。これは医師の働き方改革につながるんではないかと考えております。さらに、同じく、直感的に理解ができるというところで、若手の医師、それから研修医が時間をかけずに効果的に解剖を学習できるというわけですね。こうなることによって、どんどん外科医の成長スピードが上がり、さらに外科医の魅力っていうのが若手の、学生なり研修医に伝わって、自分も外科医になってやろうみたいな学生が増えていくんではないかと考えております。
最後、今後の展望です。こちら5Gと書いてありますけれども、今回は単一の病院の中で症例検討VRで行いましたけれども、次のステップとしてはこういった5G回線を使ったりとか、インターネットを使ってあらなた病院で、症例の検討をやって、よりその外科のテクニックであるとか戦略っていうのを効果的にシェアできるようなということを弊社のサービスを使ってやっていきたいと思っております。ありがとうございました。
- 【28:45~34:15】
採択スタートアップ企業による実証実験結果の報告:WAmazing株式会社 -
DTC田中
谷口様、ありがとうございます。最後にWAmazing株式会社、代表取締役CEO加藤様、どうぞよろしくお願いいたします。
WA加藤
皆様こんにちは、WAmazing株式会社の加藤と申します。WAmazingはですね、訪日外国人旅行者、いわばインバウンド旅行者といわれる方々向けの観光プラットフォームサービスを提供しております。世界中から日本にやってくる訪日旅行者の方が年々増えている状況でしたので、そこでですね、日本各地の魅力的な観光資源と観光客の皆様をマッチングするサービスとして提供をしております。具体的にはですね、スマートフォンの中で、日本の宿泊、飲食、アクティビティ、買い物、交通、こういった情報を発信し、発信するだけではなくてですね、実際に購入したり予約したり手配できるというスマホの中の旅行会社のような機能でございます。訪日旅行者に特化した手の中の旅行エージェントとして、サービスを提供しております。そこでですね、今回東京都が本来であれば2020年7月14日にオープンするはずでした東京国際クルーズターミナルにて実証事業をやらせていただく予定となっておりました。皆様ご承知の通り、コロナ禍が深刻な状況で外国との交流が途絶えてしまっている昨今ですので、こちらも影響を受けまして、開港が2020年、本当はオリンピック前の7月の予定だったんですけれども、こちら2020年秋のオープンになりました。ただまだですね、外国の、例えばクルーズ船が旅行者をたくさん乗せてやってくるという状況におりませんので、来年度本事業を実施させていただく予定になっております。
具体的に何をやるかと申しますと、クルーズで来訪する訪日外国人旅行者の利便性を高めてですね、東京での消費波及効果の最大化、そして可視化を実現したいと考えております。外国人旅行者の方が日本旅行中に困ったことの1つとして、無料公衆無線LAN環境、Wi-Fi環境、Free Wi-Fi環境が挙げられております。クルーズのお客様、日本に船で来航してですね、観光するのに自分のスマホを使っていろいろ情報を得たい、SNSで発信したい、でもですね、自分のスマホは圏外であるということですと不便ですので、クルーズ船の下船時にドコモ回線で無料のSIMカードをWAmazingが提供いたします。こちら15日間使える、データ容量無料分は500MBまでなんですが追加で必要であればクレジットカードなどで追加購入ができるサービスとなっております。この無料SIMカードを提供しつつですね、旅行者のスマホを使っていただいて、東京でのお買い物、そして交通をより便利にしていただこうと海外から訪日の皆様、クルーズのお客様にご利用いただく予定でございます。例えば交通領域においてはどのようなことをするかというとですね、こちら成田空港のコロナ前の状況なんですが、訪日旅行者向けに各社、非常に便利な乗り放題切符を用意しているんですが、窓口での販売になってしまうため非常に行列ができてしまう。こんな密なのではまずいだろうということでですね、WAmazingではスマホ上で買っていただける訪日向け乗り放題切符を、このような専用マシンでクルーズターミナルに設置いたしまして、非対面、非接触でゲットしていただくことが可能ですというものですとか。あと買い物に関して、外国人旅行者のお客様はですね、日本でのお買い物を免税価格ですることができます。免税というのはTax Free、いわゆる消費税免税価格で購入することができるんですが、こちらもですね、クルーズのお客様が短時間に効率よくお買い物がお得にできるようにスマホやPCなどでECでご購入いただけるというような免税ECサービスになっております。そちらの商品を、実際に東京国際クルーズターミナルにて受け取りが可能ですので、これにて日本東京産品をより流通させていきたいなと考えております。東京国際クルーズターミナル開港、もうしましたが、来年度お客様が来ることを想定しその経済効果を可視化しつつ次の打ち手に生かしていきたい。例えば寄港誘致を行うクルーズ船選定の最適化ですとか、ターゲットに応じた観光プロモーション立案、そして新たな観光体験商品、衣料商品、産品などの商品開発に生かしていきたいと思っております。ありがとうございました。
- 【34:15~1:31:06】
パネルディスカッション~スタートアップ企業の成長と課題解決に向けた成果と今後の課題~ -
DTC田中
加藤様、ありがとうございました。以上をもちまして、採択スタートアップ企業による実証実験のご報告を終えさせていただきます。続きまして、スタートアップ都市・東京の実現に向けて取り組むべき課題やスタートアップ企業の成長について、ゲスト登壇者の皆様、採択企業の皆様を交えながらディスカッションを進めていきたいと考えております。
まずはじめに、本日のディスカッションのモデレーターを務めていただきます、ジャーナリストの浜田敬子様でございます。浜田様は朝日新聞社、週刊朝日編集部などを経て2016年AERA編集長に就任、2017年4月より世界17か国に展開するオンライン経済メディアBusiness Insider Japan統括編集長に就任し、現在はジャーナリストとしてご活躍されております。「羽鳥慎一モーニングショー」「サンデーモーニング」などのTVコメンテーターや、ダイバーシティや働き方改革について、ご講演されております。浜田様には、数多くのスタートアップ企業を見てきた目線より本パネルディスカッションにおいてファシリテーター役としてご参加いただきます。浜田様、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、本ディスカッションに2名のゲスト登壇者にお越しいただいております。株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ、代表パートナー仮屋薗聡一様でございます。仮屋薗様は、株式会社グロービスのベンチャーキャピタル事業を設立され、1号ファンド、ファンドマネジャー、エイパックス・グロービス・パートナーズ設立に参画されておりました。2006年にマネージングパートナー、現代表パートナーに就任。また、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル名誉会長も務めております。仮屋薗様には、ミドル・レイターステージのスタートアップ企業の成長を見てきた観点より、本日コメントをいただきたいと考えております。仮屋薗様、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、株式会社TBMの最高経営戦略責任者、山口太一様でございます。山口様は富士ゼロックス株式会社にて新規ビジネス開発をご担当した後、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)株式会社にて事業再生支援、M&A支援に従事し、現在株式会社TBMの経営企画本部にて事業戦略・事業計画および資本政策の策定、新規事業・事業会社とのアライアンス等を推進されております。山口様には先輩ユニコーン企業としてのご経験・ご知見をお伺いさせていただきます。山口様、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、パネルディスカッションには、先ほど実証実験についてご登壇いただいたスタートアップ企業の4名の代表者の方にもご参加いただきます。
それでは、これよりパネルディスカッションに移らせていただきますが、本ディスカッションでは、参加者の皆様よりご質問を募集いたします。ご質問がある方は、イベント画面下側にある「Q&A」よりご投稿をお願いいたします。なお、ご質問の際には、質問の相手先を明記の上、ご投稿のほうをお願いいたします。ここからは、進行役を浜田様にバトンタッチさせていただきたいと思います。浜田様、どうぞよろしくお願いいたします。
ジャーナリスト浜田
はい、皆様どうぞよろしくお願いいたします。もうさっそくなんですけれども、非常に皆様の発表面白く、聞かせていただきました、ありがとうございます。行政と組むことで、こんな実証実験できるんだということが私もかなり驚きの部分があったんですけれども、実際にやっぱり行政と組まなければできなかったとお感じになったことをちょっと教えていただきたいんですが、まず折原さん、いかがでしょうか。
イノフィス折原
やはり行政と組むことで、その現場の、実際に使ってらっしゃる方とかなり深くですね、やり取りをさせていただく機会があった、これ非常に大きかったと思うんですね。実際に我々がデータを取らせていただく際もですね、介助者の方々に実際に測る役をやっていただいて、あたかも現場で実際に介助をされているような形で筋電の測量であったりとか、シミュレーションということをやることができたんですね。なかなかそういった機会というのは通常ではできませんので、こういった機会を活用させていただくことによって、私共の開発している製品の効果といったものをより定量的にですね、かつわかりやすくお客様に説明できるようになったんじゃないかなというふうに思っています。これは非常にありがたかったポイントですね。
ジャーナリスト浜田
実証実験をされた日野療護園は都の施設。
イノフィス折原
そうですね、はい。
ジャーナリスト浜田
ということがやっぱりあるんですね。
イノフィス折原
ええ、そこが非常に大きかったと思っています。
ジャーナリスト浜田
これは都の実証実験ということで、職員の方も安心してやっぱり協力されると、そういった信頼感というのがまずあるのでしょうか。
イノフィス折原
そうですね、そういったことは非常にあったかと思います。実際に信頼感があって、なので私共のほうにも非常に協力的にですね、やはり実証の実験、ご利用をいただけたんじゃないかなというふうに思っています。なかなかあれだけ多くの方々にご利用いただいて、それで効果を実際に測るという機会はないものですから、ここは非常にありがたかったなというふうに考えています。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。谷口さんの実証実験もまさに都立病院を舞台にされたということなんですけれども、やはり民間病院に自分たちでわざわざ、ちょっとこれを使ってくださいっていうよりは、都のこれ実証実験なのでっていうことでスムーズにお話が進んだという面はあるんでしょうか。
Holoeyes谷口
そうですね、専門的な用語でいうと前向き介入研究といいまして、ある時点からこのいくつかの症例に対しての、やってみるみたいな、そういうことができたっていうのが今回のプロジェクトの非常にその我々としての大きな収穫であったと思っております。その研究をして、ああいうふうにこの結果が出て、それを我々としてはですね、まあちゃんとレポートにまとめて、エビデンスにして、それをさらにこうマーケティングのツールに使っていくということをですね、今後やっていこうかなと思っていますと。 あとですね、こういったこの東京都のプロジェクトをやったということでですね、例えば同じようなことを地方で展開したりであるとか、また他の国ですね、展開して、うちは東京都でこういうことやりましたというところを実績にして、そういうプロジェクトをまた進めていくということができるかなと思っております。
ジャーナリスト浜田
なるほど、横展開しやすくなるということですね。
Holoeyes谷口
そうですね、はい。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。同じ都立病院で中西さんのところも都立病院のご協力で実証実験されていますけれども、やはり都のプロジェクトということで都立病院っていうことでスムーズにその辺、実験までいったのでしょうか。
トリプル中西
そうですね、もう本当にこの、特に急性期病院なんかでいいますともうコロナの影響で基本的にはもう立ち入り禁止。
ジャーナリスト浜田
今年は難しかったんじゃないですか。
トリプル中西
新しいことなんてもう全くやる雰囲気ではなかったんですけれども、やっぱりこの都の事業ということで、すごい協力いただいたなという感謝でございます。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。山口さん、仮屋薗さん、いかがでしたでしょうか。この発表も聞いていらっしゃった感想も含めて、この都のプロジェクトであるという意味合い、どういうふうにお感じになっていらっしゃる、またそれがどういうふうにこう成長に生きるというふうにお感じになったのか、仮屋薗さんのほうからお話聞いてもよろしいでしょうか。
グロービス仮屋薗
はい、まずあのベンチャー、いろいろな面で資金、それから人材、いろいろとして経営資源がないわけなんですが、その中で最も大きな問題、信用というものがあるかと思います。そういうので行政とスタートアップのコラボレーションという観点で、ここの持つ意味は信用補完、これがですね、やはり最も重要なものではないかというふうに思います。私の支援先で2、3年前ですかね、都から受賞した起業家の方にちょっとお話を伺った経緯もあったんですが、やはり自治体が持つブランドと信用補完というものは、民間のですねピッチイベントに登壇するよりも格段に大きいという声をですね、おっしゃっていました。特にその中でも、東京というブランドは最も強力で、やはりこの東京からの受賞によってですね、そしてそこにおける、いわゆる実証実験によって、有力な事業会社ですとか、それから業界のオピニオンリーダーですね、こういう方から声がかかるようになったというふうなことも言っていました。
ジャーナリスト浜田
なるほど、ありがとうございます。山口さんどういうふうにご覧になりましたか。
TBM山口
はい、弊社のほうは実は2017年に、東京都トライアル発注認定制度というのを採択いただいていて。都の中で弊社の事業は環境素材のメーカーなんですけれども、それを活用した印刷物ですとか、ノベルティですとか、そういったものを導入いただいたという経緯があります。それこそ交通局で使う印刷物ですとか、オリパラ局で使うようなノベルティとか。今後はですね、その環境局と循環、資源循環を目指したような取り組みもさせていただきたいなというふうに思っておるんですけれども。やっぱりあの皆様もおっしゃるように、その自治体で特にあの東京都での取り組みというのはスタートアップの実績としては大きいというところと、あとはあの非常に懐が広いというか、提案余地が非常に広いというので、東京都だと30を超える局があると思うんですけれども、観光も範疇ですし、医療もそうですし、物流とか、環境とか、いろんな局がありますので、スタートアップ各社が持っている商材とか技術というのをどこかしらに、なんていうんでしょうか、ぶつけることができるというところが非常に利点なんじゃないかなというふうに考えております。
ジャーナリスト浜田
実際にその実験をして、データを得られて次の成長とか打ち手に皆様つなげていらっしゃると思うんですけれども、その後のこともあるんですね、たぶん東京都の関係ができて、例えばその公共事業としてその随意契約って先ほどお話ありましたけれども、そういった山口さん、なんていうんでしょうか、期待というか、もしやすいということなんでしょうか。
TBM山口
そうですね、やっぱり1つの局で実績が出ればですね、ちょっと目的は違うけれども別の局でも試してみようかみたいな話というのはやっぱり入ってくるんじゃないかなというふうには考えてますので、そういう広がりも期待できるんじゃないですかね。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。ちょっと次のテーマ、皆様にお伺いしたいんですけれども、皆様それぞれ本当に今深刻な日本で抱える、特に高齢化、少子化だったり、インバウンドだったりとか、いろんな社会課題に取り組んでいらっしゃるというのは特徴だなと思いました。加藤さん、残念ながら今年はコロナ禍の影響があってですね、インバウンドのお客様が来れないということで実験はできなかったんですけれども、これまで課題に感じていらっしゃったこと、来年度どういうふうな形で、その実験につなげていきたいか、この一年逆に考える時間もあったと思うんですけれども、その辺りもしかしたらコロナの、ウィズコロナっていうものもある程度にらみながらの実験になると思うんですけれども、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
WA加藤
はい、そうですね、WAmazingが取り組んでいるのは観光領域なんですが、観光というのはこの東京都にとっては、外貨を稼ぐものであると。外国からお客様がいらっしゃって、飲んだり食べたり、買ったり泊まったり遊んだりということで、東京都にかなりの経済効果を、消費効果をもたらすんですね。ですが、反面、コロナ禍前の状態では、かなりなんていうんでしょうかね、オーバーツーリズムというか、混雑のほうが問題になっておりまして、その外国人旅行者がすごく短期間に増えたものですから、受け入れ側のキャパシティがいっぱいになってしまって、むしろ地域住民、東京都民のほうが迷惑するというか、生活に支障をきたすということが起こってしまっていた。そこをですね、WAmazingは解決したいなと、それ以上に今後も観光立国を目指すならば、やっぱり非常に重要な社会課題ですので、そのオーバーツーリズムの解消と、あと実は観光客によってこんな経済効果があるんだっていうところの可視化、この2つに取り組みたいと思っています。WAmazingのサービスを使っていただくことで、まだ知られていない観光資源とか、東京タワーだけにみんなが行くんではなくてですね、いろんなところに素晴らしいものがありますので、そちらをPRすることで観光の分散化ですとか、あとはすべてアプリ内で位置情報も含めたユーザーデータが取れるので、どんなものが人気だとか、どういう行動を東京都内でしているのかっていうところのデータ分析によってですね、新たな商品開発とか分散化とか、あと非対面、非接触によるコロナ、ウィズコロナにおいて、安心、安全を担保するとかですね、そういうことに貢献できたらいいなというふうに思っています。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。中西さんの自立排泄っていうのがですね、私もあれだけQOLに影響するし、もっといえば看護師の負担軽減にもつながるんだということを聞いていて改めてそうなんだというふうに感じたんですけれども。実際にやっぱりその自立の排泄ができることで、おむつ交換とかよりも看護師の負担が減って、医療現場の負担が減るということなんでしょうか。
トリプル中西
そうですね、やっぱりトイレに誘導するっていうこと自体はですね、どうしても労力がかかってしまうんですけれども、やり甲斐ですとか、これまで本当に1時間に1回連れて行くみたいな機械的にやっていたものを、本当にこの人今必要だから連れて行くっていうふうなことはできますので、非常にその、一瞬の労力は増えるかもしれないですけれども、最終的なそのエンドポイントのところでいうとですね、相対的には看護師自体の負担もそうですし、そこから家に帰った後のご家族の負担もそうですし、大きくこう社会的な負担というのは減ってくるんじゃないかなというふうに思います。もう1ついいですか。
ジャーナリスト浜田
はい。
トリプル中西
社会課題でいうと、あとその実はおむつパットっていうものが、非常に日本って使われているってご存じですか。
ジャーナリスト浜田
なるほど、環境問題なんですね。
トリプル中西
一般の廃棄物、一般のすべてのゴミですね、うちの4%が実は使い捨てのおむつでして、これ2030年には7%になるというふうにいわれています。実はもう消費量でいうとアメリカって日本より人口3倍なんですけれども、日本ってアメリカの3倍ぐらい使ってるんです。
ジャーナリスト浜田
そうなんですね
トリプル中西
これすべておむつっていうのは、化学製品ですのでCO2にそのままつながっていくというところで、もちろん否定しているわけではないんですけれども、本当にこの、必要な人に対して必要な量を適切に使うっていうところもですね、あわせて環境という意味でもですね、目指してやっていきたいなということで2030年おむつパット使用半減ということ、我々一応掲げております。
ジャーナリスト浜田
複数の課題を解決していらっしゃるんですね。つまり、高齢者の方のQOLもそうですし、医療現場の負担軽減ということも、これは医療現場が抱える課題、そしてもう1つは環境問題。すごいこう、なんていうんでしょうか、三方よしというかですね、最初からそのあれですか、なんていうんでしょうか、視点はあったんですね。
トリプル中西
あまりなかったんですけれども。
ジャーナリスト浜田
結果的に環境問題もと。
トリプル中西
そうですね、調べれば調べるほど実は闇が深いぞということが分かってきたというところですね。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。仮屋薗さん、最近私もスタートアップ企業をよく取材しているとですね、社会の課題を解決したいっていう企業家の方が増えていてですね。特にSDGsの大きな流れもあると思うんですけれども、社会課題に対してこれだけ解決する企業が増えているという、その背景も含めてちょっとお話いただいてもよろしいでしょうか。
グロービス仮屋薗
そうですね、私もその社会課題解決に、起業家が、目線がむき出してるというのが非常に強く感じます。これ私2010年代に入って、特に特徴的だったのかなと。90年代、2000年代は、起業家の目というのがやはりインターネットですとか、スマホですとか、ITでですね、新しいビジネスモデルをつくっていくと、こういうふうなところに向いていたのかなと思うんですが。私潮目の変化を感じましたのは、やはり日本でいうと、東北の大震災ですね。
ジャーナリスト浜田
そうですね。
グロービス仮屋薗
はい。このときにですね、起業家が、自分たちがこの世の中に対して何かできることはあるんじゃないかと、これはITとかだけじゃないはずだという中にですね、テクノロジーを使った社会貢献というものを志す起業家が本当に増えてきたのかなというふうに思います。本日ここにご登壇いただいている皆様もそうだと思うんですけれども、非常にそういう意味でいいますと、個々の起業家の方に固有の原体験ですとか、ストーリー持っていらっしゃる方が多いのかなと。中西さんもですね、一度お話を聞いたことがあるんですけれども。非常にこのですね、強い思いがやはり社会課題解決の突破口になると思います。この社会課題解決というからにはいろんな実は困難が、当然ですね、ゼロからスタートして待ち構えているんですね、既得権益とのぶつかり合いもあるでしょうし。ただしそういう困難を乗り越えていけるだけの原体験、原動力があるかどうかというところが、やはりスタートアップがですね、社会課題に対してそれを打開できる、可能性があるということにつながっているんだと思います。
ジャーナリスト浜田
今日は本当にご登壇いただいた方達は、課題がクリアにあって、しかもでもそれ誰もやっぱりなかなか解決できなくて困っていると。たぶんおそらくハードルが高いんだと思うんですね、仮屋薗さんがおっしゃったように解決のハードルが高いところにテクノロジーとかそういうことで立ち向かっていらっしゃるなというのを感じました。山口さんどういうふうにお感じになりましたか、皆様のこの原動力も含めて。
TBM山口
そうですね、けっこうそのサービスとか商材の話もそうなんですけれども、目指されているところが非常に社会問題に通じるところがあるかなと思っていますし。イノフィスさんでいうと、介護のところから、さらにはその建設とか物流現場でも使えるようにみたいなところとか、その中でこう、日本が実はその課題先進国なので、たぶん日本で事例つくれば、これから高齢化が進む国でも横展開ができるみたいなビジョンもあられるのかなと思いますし。各社それぞれ解決されてきた意向、道筋が明確という印象を非常に受けています。仮屋薗さんおっしゃるとおり、やっぱり投資家の目線がESGというところに非常に向いておりまして、これまではその、なんていうんでしょうか、貢献活動みたいなところから、そこがやっぱり利益を生むような領域になってくるというようなトレンドの変化、というか見られ方の変化は出てきているのかなというふうに考えていますので。マーケットも大きいと思いますし。非常に、なんていうんでしょうか、成長のまだ、余地のあるような、各社領域なんじゃないかなというふうに思っております。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。最後のポイントとしてですね、今日ご登壇いただいている4社の方が、さらに成長していくには、どんなことが必要なのかということをちょっと皆様で議論していただきたいんですけれども。逆に今度は山口さんにお伺いしたいんですが、あえてこういうところがあったらもっといいんじゃないかとか、こうしたほうが成長できるよ、ユニコーン企業の先輩としてですね、ちょっとアドバイスも含めて、個別の企業へのアドバイスでもいいですし、全体へのアドバイスでもいいんですけれども山口さんからちょっと話をまずしていただいてもよろしいですか。
TBM山口
そうですね、ちょっとあのあまり多くを偉そうに語れる立場ではないんですけれども、あの例えば弊社の場合ですと、その環境新素材というものを開発しています。ポイントとしては、弊社が謳っているのは、資源ですとか、あと持続可能な社会に向けてエコロジーとエコノミーを両立していくということを謳っています。あのやっぱり環境に優しい商品、素材っていうのは、これまではどうしてもそのニッチになりがちで、環境にいいんだけれども高いので本当一部の企業しか導入できないよねとか、まずそういうふうになりがちなんですけれども、そこにしっかり価格競争力を持たせたということで、世の中で当たり前に使っていただけるような素材になりつつあるのかなというふうに考えているんですね。ですので、各社そういったそのコストダウンの戦略ですとか、販売戦略みたいのは持たれていると思いますけれども、世の中にいいものをいかに広げるかみたいなところの戦略をどう組み上げていくかというところがポイントなのかなと考えております。
ジャーナリスト浜田
それでいうと、折原さん、マッスルスーツ、かなり最初の値段よりも落ちましたよね。
イノフィス折原
そうですね。
ジャーナリスト浜田
あれどうやって、あれだけ値段を落とせたんですか。
イノフィス折原
そうですね、いろいろな努力はしてはいるんですけれども。やはりその、前の方のマッスルスーツというのはアルミを使った、鉄でできていたんですね。それを樹脂の一体成型にしまして、パーツ点数も大幅に減らしたといったところがやっぱり1つのポイントになってきたのかなと。これまでは、やはりその台数が増えていっても、なかなかそのスケールがコストに響いてこなかったんですけれども、樹脂一体成型にしてパーツ下げて金型化してやっていくことによって、ある程度台数が出て行けば、それに応じてユニットコストがぐっと下がるような形につくっていくことができたんですね。それがやはり、その価格を大幅に下げるということができた1つの大きな要因だったかなというふうに思っています。
ジャーナリスト浜田
価格の他は、例えば導入までのいろんな施設とか企業に導入してもらうまでのハードルってどういうふうにお考えになっていますか。
イノフィス折原
やはり、そもそもマッスルスーツ、装着型ロボット、なかなか知られていないっていうところからはじまったと思っています。それで、136,000円にしてマッスルスーツEveryというふうに売り出したんですけれども、やっぱり世の中には比較的新しい装着をして、腰の負荷を低減させましょうなんてまだ、比較的新しい、そういったものだと思っているんですね、なので、それをちゃんとお客様のほうに説明してですね、効果というものをきっちり謳うということはやっぱり大事だなというふうに思っています。あとはその効果だけじゃなくて具体的な使用例であったりとかですね、お客様がこういうふうな場面でこう使うとこういいんですよといったような例をきっちりとつくって、それを新たなお客様のほうに提案していく際にきっちりと説明をしていくというのが大事だなと思っているんですね。また戻ってしまうんですがその意味で、今回こういった形で非常にきっちりとデータが取れて、こんな効果があって、それでこれだけの負荷が低減できますよというのをきちんと説明できるものになってたというのは我々にとってその今後のマーケティング活動においては、大変大きな、ある意味武器になったのかなというふうに思っています。
ジャーナリスト浜田
営業に行くのも、きちんとデータを示しているということですね。谷口さんいかがでしょうか、谷口さんのお話を聞いても、確かにこれは医師の働き方改革にもつながるし、技術の平準化みたいなことにもできるのかなと思いましたけれども。たくさんの病院に導入してもらうには、どんなハードルを越えていかなきゃいけないんでしょう。
Holoeyes谷口
そうですね、我々もけっこう似たようなところがあり、やっぱり新しいものっていうことですよね。まずこういうのをかぶるっていうところがですね、非常にこのまだまだこの世間では受け入れられていないもので、それかぶって手術するのかとか、それかぶって患者と接するのかみたいなところっていうのがですね、コンサバな業界なので、そこであのちょっと最初にこう、なんだろうこれはみたいなところはあるんですよね。
ジャーナリスト浜田
そうですよね、いきなりこのすごいVRのこれをつけなければ。
Holoeyes谷口
はい。でもかぶっていただけるともう本当にこう、目の前にこういうものがあらわれてくるので、そこでこう、まず最初にかぶってもらうところというところを突破するというところですね。今のコロナ禍でですね、病院に直接行けないというところもあって、今はその販売店にいろいろVRの機材をばら撒いてですね、彼らが病院に行ってもらうみたいにであるとか、あとものによっては宅急便で送って、我々がオンラインで使い方をいろいろ解説するなんかていうものやっています。
ジャーナリスト浜田
あれは1台おいくらくらいするものなのですか。
Holoeyes谷口
いろいろありまして、例えばそのHololensという透過型のものは、だいたい450,000円ぐらいで。OclusQuestという非透過型のものは、40,000円弱ですね、はい。
ジャーナリスト浜田
実際実験で使われた方は、このぐらいの値段でこの効果だったら導入したいなみたいなことなどをおっしゃっていましたか。
Holoeyes谷口
そうですね、やはり医療機器ってけっこう高いものがあって、そこからするとそんなに高い値段ではないっていうふうな値段感で捉えられていて、しかもですね、本当に肝臓の血管がここにあって、対面であたかもそこの指差しながらこういろいろ症例を検討できるみたいなものは、今のところ唯一無二のものなので、非常に導入、これ欲しいみたいな、そういう声はありますね。
ジャーナリスト浜田
1回やっぱり使ってみられている方はいいと実感されて、ということなんですね。中西さんところも病院への営業ということとか、介護施設への営業ってのが主になると思うんですけれども、その辺のサービスを広げていくにあたってのハードルはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょう。
トリプル中西
やはりこの日本という国の社会保障っていうのはしっかりしておりますので、やはり行政と一緒に、その仕組みですね、やっぱりなかなか新しいものが入っていくっていうところの、まさに今回のこのプログラムっていうのは非常によかったなというのはあるんですけれども。やっぱりまずは否定から始まるところがありますので。
ジャーナリスト浜田
負担が増えるんじゃないかみたいなね、最初は。
トリプル中西
そうですね。なので、そこで協力いただけるところと、しかもビックネームのところとしっかりとデータを取ってですね、広げていくということが大事になってくると思いますので。本当に行政と連携してですとか、あとはもうまさにエコシステムをつくっていくということはけっこう重要だと思うんですけれども、今もこの失禁してらっしゃる方に関しては、例えばおむつというものは業者としては入っていたりしますので、そういう失禁ケア全体を最適化していきましょうみたいなですね、こういう全体的なエコシステムをつくって広げていくということをしてきたいなというふうに思っています。
ジャーナリスト浜田
行政も含めたその仕組みづくりというような設計をするということですね。加藤さんはいよいよ来年から実証試験もはじまるということなんですけれども、自分たちのサービスを広げて、これまでもずっと事業は続けていらっしゃったと思うんですけれども。特にこのコロナがあって、その後にまたこうマイナスからの、みたいなところになると思うんですが、どうやって成長をさせていこうというふうに考えてらっしゃいますか。
WA加藤
そうですね、例えば今回の実証事業の舞台となる東京国際クルーズターミナルですね、こちらは港っていう場所ですが、こういうリアルの接点って非常に重要だなと思っています。コロナ、アフターコロナ、ウィズコロナにおいてもですね、旅行って、その中国の方が京都の観光や東京の観光を中国にいたまますることはできないので、どうしてもですね、人が移動してくる、そして、あのやっぱりバーチャルでは感じられない、バーチャルってどうしても視覚と聴覚でなんとかどうにかこうやろう、伝達しようということなんですけれども、やっぱり風の匂いじゃないですが嗅覚とか、味覚とか、日本の美味しい食とかですね、あと触って体験してという触覚とか、その五感をフル活動させて楽しむのが旅の醍醐味なので、このリアルな楽しみというのはなくならないんではないかなと考えています。リアルに人が移動してこなきゃいけないとなるとですね、日本は島国なので、その関所となるような場所が港であったり空港であったりするんですね、もう船で来るか、飛行機で来るしか絶対無理っていうのが日本っていう場所ですので。ただ関所であるがゆえにですね、非常に公共性が高いと。なのでそこで、何か事業をさせてもらうというのはですね、大義も必要ですし、そのなかなかですね、突破するのに時間がかかるというところがあります。我々ですね、空港でサービスをスタートしたときは、成田空港に最初にサービスに同意いただいて導入できたんですね、それによって今全国22箇所の空港でサービスできているんですけれども、やっぱりそう、なんていうんですかね、一番大きなところというか、そこで一番キーになるようなところに導入いただくことが横展開というか広がりを持ってくるので、やはり東京国際クルーズターミナルで世界のお客様に対して満足度を提供しながら、東京都の課題である、観光商品の最大化ですとか、オーバーツーリズムの解消とか、可視化というところを実現して、例えばそれを日本至るところに港がありますので、今度は横浜だったりとか、神戸だったりとかにも導入していく。そのリアルの接点を抑えてしまえばですね、訪日観光客に日本に入った瞬間に必ずアプローチできるっていうのがWAmazingになりますので、そういったところでサービス認知と利用を促進していきたいなと思っています。
ジャーナリスト浜田
逆にスマホ1つでいろんなbooking予約とかを取ることになると、例えばこのコロナで非常にダメージを受けたいろいろホテル、飲食業、こちらの観光業界の方にとってもチャンスが広がるということですよね。
WA加藤
おっしゃるとおりですね。例えば航空業界って、航空券を販売する収入の他にアンシラリー収入といって、機内で免税品を販売したりする収入もかなり多くを占めているんです。LCCだとその航空券以外の収入が半分程度を占めるといわれています。それに対して日本のホテルとか、東京都のホテルというのはほぼ宿泊収入、あるいは大きなシティホテル、高級ホテルの場合はブライダルとかですね、バンケットとかの宴会収入なんですね。そこに対してでもせっかく24時間近くお客様と接しているんで、そこの人達ですね、オンラインを通じて、例えばアクティビティを販売してみるとか、あとは免税商品を販売してみる、それがホテルが接点として販売されたものに対しては我々レベニューシェアできますので、そういうことでですね、非常にコロナで打撃を受けた宿泊業界の方にも新しい収益モデルを提供したいなと思っています。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。仮屋薗さん今まで聞いていらっしゃっていかがですか。それぞれこれから、超えなければいけない壁と、でもその分その成長の余白みたいなもの感じられたんですけれども、いかがでしたでしょうか。
グロービス仮屋薗
はい、今回のキングサーモンプロジェクトのテーマとして、都が自ら、アーリーアダプターとして、実証実験の場を提供すると、それに加えてあの公共調達、しっかりとプロダクトも買うと、これもまた新しい取り組みだと思いますし。
ジャーナリスト浜田
そうですね。
グロービス仮屋薗
今回さらにすごいなと本当に思っていますのは、海外進出、グローバル化に対して、戦略の立案からですね、実施の支援まで行なっている、このですね一貫した取り組みが私はこの行政×スタートアップのですね中での非常に先進的でユニークだと思います。アーリーアダプターでですね、実証実験日本で終わった後に、いざグローバルに行くときにですね、やはり各社が、たぶんですね、この直面する課題、これはですね、自社の製品がユニバーサルな、いわゆる人類共通の課題を解決するようなOneプロダクトになっているのか、もしくはグローバルに地域性があって、各地域地域にアジャストする、していく必要があるようなマルチナショナルな事業環境において、製品開発をしていかなきゃいけないのか。この辺りの頃合いを見定めていった上で戦略の立案ですね、いわゆる販売戦略、開発戦略、それに伴って人材と資金を調達しなきゃいけない。ここはですね、全体を統合していくところってのは今後の課題になってくるのではないのかなと思いました。そういう意味では今日、TBMさんはもとより、それからイノフィスさんですとか、HoloeyesさんはユニバーサルOneプロダクトの志向性がたぶん強いものでいらっしゃるかなと思いますし、トリプル・ダブリュー・ジャパンさん、WAmazingさんがもしかするとマルチナショナルで考えていくならそういうふうなサービスで、この辺りコントラストがあって今日は面白いなと思って聞いておりました。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。ちょっと先に質問をいただいているのでそちらをちょっと皆様に答えていただいて、最後にまたあの一言ずつ皆様に今日みていらっしゃる方にいただきたいんですが。仮屋薗さんに質問が来ております。社会課題の解決は社会からのニーズが高い一方マネタイズが難しいのではないでしょうか。これ、おそらく皆様もこれから苦労されると思いますけれども、投資家からみてですね、そこはどのように評価されますか。
グロービス仮屋薗
はい、そういう意味で申しますと私社会課題イコールニーズだと思っていまして、現在ですね、そのニーズに対してしっかりと資金を払っていくというようなカルチャーですとか、先ほどSDGsの話もありましたけれども、資本市場がそういう企業を後押しをしていくというような、なんというんでしょう、潮流が明確に生まれているというふうに思います。そういう中で今やはりですね、ただし、そのストーリーといいますか、社会課題を解決するというですね1つのミッションに加えて、今後ですね、やっぱりスケールによってですね、あの例えば先ほどイノフィスがスケールによってコストダウンができるようになって、価格を最適化できるようになったですとか、これからのですね、社会解決型の企業というところでは、このいわゆるストーリー×スケール、この2つを同時に実現していく、それだけの経営力というのが必要なってくる。
ジャーナリスト浜田
経営力。
グロービス仮屋薗
はい。これによって、しっかりとした売上の成長と、そして利益の実現というものができていくんじゃないのかなと思います。そのためにもやはりベンチャーキャピタル、我々のベンチャーキャピタルは資金の提供をですね、しっかりとした金額を提供することを通じて、この経営資源を獲得していく、そういうふうな経営者の一助になっていくという必要性があると思っています。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。スタートアップの方達、これちょっとぜひ山口さんも含めて5社の方にお伺いしたいんですけれども、海外進出をもししようとなさっているとしたらですね、コネクションなしになかなか参入が難しい、海外に参入が難しいのではないでしょうか。例えば今すぐではないかもしれないんですけれどもどういう道筋を皆様描いていらっしゃるかというのをお聞きしたいんですけれども、折原さんのほうから何か将来的にはこういうふうに出て行きたいなというのを考えていらっしゃいますか。
イノフィス折原
我々イノフィスとしてはですね、この日本における社会課題というのは基本的に課題先進国ですと、これは遅かれ早かれ世界の他の地域でもこれは顕在化してくると思っていますので、そういう意味で海外進出はマストだと思っているんですね。海外への進出の仕方というところについては、我々も日々悩みながら進めてるというのが実態ですが、まああの、我々やっているのは、海外での現地の展示会といったものに積極的に参加をして、そういったところで現地のパートナー候補となり得るところとどんどん話をしていくだったり、現地の知人を経由してとかですね、それからジェトロを活用、の支援をしていただいたりとか、そういったようないろいろな伝手を探しながら紹介してもらいながら会って話をするといったようなことを地道にやっているというところかなというふうに思っています。やはりその地域によって、そういった話が進みやすいところとですね、なかなか進みにくいところっていうのはまあこの1年ぐらいずっとやってきた中でなんとなく見えてきてはいるんですけれども、そこはまたちょっと手を替え品を替えですね、どういうやり方が刺さるのかなというのを日々試行錯誤しながらやっているというそういう状況です。
ジャーナリスト浜田
住みやすい地域っていうのは何か特徴があるんでしょうか、やっぱりその課題がまさに日本と同じようにんなっているとか。
イノフィス折原
課題がたぶん近いということと、後ですね、やっぱり意思決定のスピード感というのは地域によって違ったりとかしますので、その辺りで海外の進出のスピードっていうのは少なからず影響を受けてくるかなというふうには感じています。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。中西さん、いずれ海外にと、考えていらっしゃいますか。
イノフィス折原
すでに海外には現地法人含めてあるんですけれども。
ジャーナリスト浜田
もう出ていらっしゃるんですね。そうですか。
イノフィス折原
基本的にはやはりその海外に行く場合にはそもそもニーズがしっかりあるのかというところと、要は海外に行くぞと言っていくよりは、海外から呼ばれて行っているというようなニュアンスのほうがどちらかというと近いかなというところと、やっぱりそのチームビルディングですね、現地の商流ですとか商習慣もすべて含めてですね、しっかりと理解してらっしゃる方を我々チームに巻き込めるかどうかってことも非常に重要かなと思っていますので、その辺りとやっぱりあの先ほど折原さんもおっしゃっていたとおり、そのパートナーリングっていうところが非常に肝になってくるかなというふうに思います。我々もう本当にジェトロのプログラムが上がればすべてに応募、すべてではないですけれども、もうだいたいもう応募しておりますので、はい。大変お世話になっております。
ジャーナリスト浜田
やっぱり同じような課題を抱えている、特にその医療現場だったりというのは、日本とその辺の課題共通しているっていうふうに感じてらっしゃいますか。
トリプル中西
そうですね、もうこの特に介護という領域、高齢化というところに関してはもうどこもかしこも、ヨーロッパ、欧米ですね含めてもかなり危機感ありますし、中国もですね、非常に高齢化が日本以上のスピードで進んできていますので政府としてどうしていくのかっていうところで、まだまだ解がない中、探りあっているなというよう状況ではありますね。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。谷口さんはいかがでしょうか。海外に出て行くときの。
Holoeyes谷口
私もですね、けっこうジェトロお世話になっているもので、もうちょいちょい中西さんともこのジェトロのプログラムではまた会いましたねみたいな、そういう感じのこの顔なじみになってですね。やっぱりそういったこう、ちゃんと日本にはそのそういった海外に出ていく後押しをするそういう機関というのがあるので、そこを利用すると。ジェトロの方はですね、すごくいい人ばっかりで、もう現地に行くとすごく歓迎してくれていろいろブリーフィングをしていただいたりとか、現地の会社を紹介していただいたりとかですね、そうやってどんどんこのネットワークをつくっていくと、そのネットワークがネットワークを生みというふうな形で広がってくるというところですね。あと弊社としてはですね、オレンジハブといって、フランスのテレコムのオランジュというのがあるんですけれども、そこがやっているプログラムで採択されてサポートを受けたんですけれども、プログラム期間終わってからもいろんなそのイベントに呼んでいただいて、例えばですね、シンガポールでやっている5Gを使ってビジネスをするというところのコンテストで場所をいただいて、その後そのシンガポールのSINGTELというモバイルキャリアで実証実験してみましょうみたいな、そういうところがあったので、そういうところをいろいろこう使って発信していくというのが非常に大事かなと思っています。あと今回のキングサーモンプロジェクトでですね、中国の大学を紹介していただけるというところでそこもけっこう助かっていると思います、はい。
ジャーナリスト浜田
まさにその海外販路のところの後押しもあったということですね。
Holoeyes谷口
はい、そうですね。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。加藤さんのところは、今のところインバウンド、日本に来る人ですけれども、今後同じような仕組みを海外にということも考えていらっしゃいますか。
WA加藤
実は私はその同じような仕組みで海外でっていうのは考えていなくてですね、あくまでいろんな国の方々に日本に来ていただこうっていうのをベースにしています。100%を相手が海外の方なので、最初から海外進出というか。
ジャーナリスト浜田
逆にお客様を呼びにいっているということですね。
WA加藤
そうなんです、呼び込んでいかなきゃいけない。それであの弊社実は今100名ぐらいのスタッフというか従業員がいるんですけれども、そのうちの約半数が外国人社員なんですね。彼らって当然、言語はネイティブですし、母国に対して非常に強いネットワークがあるというところで、彼らの主に海外領域の開拓についてはその外国人社員、WAmazingの外国人社員が、母国に対して強い影響力を発揮していろんなネットワークで頑張ってくれていて。逆にあの日本の観光資源のほうは、日本人が交渉するほうがうまくいくことが多いので、日本人チームがですね、発掘していろいろ。この社内でこの外国人と日本人がお互いの知見を共有することでこういう商品ならつくれる、こういう商品なら外国人にウケるというのをやりあっているような状態ですね。あの現地法人も今中国にはありまして、上海、そうですね、香港、台湾は出張ベースでやっているんですけれども、今後ちょっと台湾にも拠点をつくろうかなと思っているので、そういう形で日本の観光資源という魅力をテコにですね、海外の人達と結び付けていきたいなと思っています。
ジャーナリスト浜田
はい、ありがとうございます。まさに組織自体もダイバーシティなわけですね。
WA加藤
おっしゃるとおりです。非常に海外資本からも資金調達の話、つまり投資用に興味があるということをいただくことが多いです。やはり日本企業が何かやるときに、例えば中国企業にものを持っていくと真似されちゃうとか、あのいやITプラットフォームでいこうとするといやそれもっと大きい自社の自国のプラットフォームがあるっていうふうに中国にはなってしまうんですが。観光産業というのがどうやっても輸出できない、その東京の観光は向こうに来てもらって東京でしかできないという、地理的に縛られる所なので、だったら日本のスタートアップがユニークな商材をたくさん抱えているんだったら我々はお客様を送ることができるから出資をさせてくれというようなお話をいただくこともありますね。ただチャイナマネーが入っちゃうと、成長圧力がものすごく強いみたいなので、ちょっと今だと組織が潰れるなと思ってですね、辞退しております。
ジャーナリスト浜田
なるほど。そういう悩みもあるんですね。山口さんいかがでしょうか、その海外に進出していくときの、なんていうんでしょうか、自分たちが気を付けなければいけないことというか志したほうがいいことというのはどういうアドバイスがありますか。
TBM山口
はい、まずは海外との接点をつくるというところでいうと、弊社の場合はそのG20とか、COP24、25とか、そういった環境カンファレンスのようなところに、日本政府の、日本の技術みたいな形で出させていただくというのをきっかけに問い合わせをいただいたりとか、あとは今ですね、大手の事業会社ですとか、外資系の金融機関、株主でありまして、それでそういったところが持っているその海外ネットワークを紹介していただくというケースも非常に多いです。その上で、そこはあくまで入り口だと思っているんですけど、その現地で通用するようなあのサプライチェーンを組み上げていくというところも非常に重要かなと思っています。特にやっぱりあのサンプルで導入されるとかじゃなくて、本番で大量に使っていただくようなことをしようと思うと、やっぱりこう流通の仕組みとか原料調達とか、そういったところのサプライチェーンを組み上げていくというのが大事かなと思っています。そこに向けて、弊社でいうと、例えば自社工場でつくっている部分もあるんですけれども、あのファブレス(fabless:工場を所有せずに製造業としての活動を行うこと)でですね、海外のどこにでもあるようなプラスチック成形機をそのまま使えるように、素材のほうの素性を変えたりして。そうすると今あのプラスチックでいうとプラスチックに関する規制を入れてるとこは120か国とかって、プラスチックのマーケットもまだまだ実は伸びていくと言われる中で、これまでプラスチック産業でプラスチック成形した工場とかが、非常にこう逆風が吹いている、脱プラの中で逆風が吹いていくという中で、彼らの設備はそのまま使えて、素材だけ切り替えてくれればあの環境商材をつくれる工場になりますよというその、既存の、なんていうんでしょうか、あの業界としっかり連携しながら進めるようになったというところは海外展開する上でも非常に大きかったところかなというふうに思ってますので、海外で実際に普及させるために何を潰しておかなくちゃいけないのかというのをあらかじめ、なんていうんでしょうか、イメージしながら、活動していく必要があるかなというふうには考えております。
ジャーナリスト浜田
進出先の課題解決とか、雇用を守るとか、そういった業界をある程度守るということも視野に入れながら進出していかれているわけですね。
TBM山口
そうですね、先を読みながらというんですかね、あくまで向こうのニーズとかメリットがないとなかなか普及っていうのはしないと思っていますので、そこを潰し込むというのが大事だと思います。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。もうあっという間に1時間が経とうとしているんですけれども、ぜひ皆様最後に一言ずついただきたいんですが、このキングサーモンプロジェクトに採択されて、今後実験終わられた3社、加藤さんのところは来年度ですけれども、こういうことをやっていきたい、ちょっとその決意表明も含めてですね皆様にちょっとメッセージをいただき、山口さんと仮屋薗さんには今日のちょっと総論というか総括をしていただければと思いますが、また折原さんいかがでしょうか。
イノフィス折原
今回キングサーモンプロジェクトの取り組みをさせていただいたのが、施設だったということがあるんですが、我々の製品、先ほどもちょっとご紹介をさせていただきましたように、施設だけじゃなくていろんなところに広がりができつつあるんですね。ですのでもっともっと広い業界にアプローチをしていきたいというふうに思っていますし、その業界をさらに国内のみならず海外でも、やはり今後展開をしていきたいというふうに考えています。そのなんていうんでしょうか、ドライブをつくっていくにあたって、今回は日野療護園というところでやらせていただいたわけなんですが、都のいろいろなですね、他の局があると先ほどのお話にもありましたけれども、そういったところと今後もいろいろと組ませていただいて、我々の製品の効果といったものをですね、どんどん実証していって、それをテコに業界を広げ、地域を広げというようなステップで成長していけたらなというふうに考えています。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。介護現場でも、物流とかもこれから高齢化になってでもずっと働かなきゃいけない世の中で。
イノフィス折原
働かなきゃいけなくて人が足りなくて、でもどうにかしなきゃいけないと。
ジャーナリスト浜田
本当に、はい。ありがとうございました。中西さんいかがでしょうか。
トリプル中西
本当にこのコロナの中、もう皆様にご協力いただきながらですね、本当にしっかり有効なデータが取れてですね、世界で我々しかこういったような超音波ウェアラブルっていうもの行なっていないんですけれども、この急性期の後からの退院、そこから在宅っていうところでの排泄ケアのスタンダードにしっかりとしていきたいなと思っております。しっかりとですね、こういう機会をいただきましたので、都民の方のQOL向上とですね、都税としてですね、しっかりと納税できるようにお返しできればなという決意でございます。ありがとうございます。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございました。谷口さんお願いいたします。
Holoeyes谷口
今回非常に素晴らしい取り組みで、東京都っていうこの行政が率先的にこういったスタートアップのプロダクトを実際のその現場に投入するっていうふうなモデルができたと思っておりますと。そのモデルをですね、例えば地方に展開したりとか、さらに海外に展開すると、例えば地方の行政も何かやりたいなみたいなことって思ってらっしゃる方いっぱいいると思うんですよね、我々そのキングサーモンでこういうふうな取り組みで東京と一緒にやりましたみたいなというと、じゃあそれをそのまま他のところでやりましょうか、他の国でやりましょうかみたいなことになるので、今回の取り組みも提案も一緒にやっちゃおうかみたいな、ということも考えています。
ジャーナリスト浜田
スタートアップ×行政の仕組み自体を横展開できるということで、地方の自治体とか非常に助かるかもしれないですね。ありがとうございます。加藤さんよろしくお願いします。
WA加藤
今まだ世界はコロナ禍に見舞われている最中ではあるんですけれども、世界各国のアンケートで、コロナが収まったら何したいというのをとるとですね、どの国でも第1位は旅行なんですね、その次に外食とか続いてくるんですけれども。なので、やっぱり世界の方々の旅行したいと、コロナ禍前までは日本非常に人気な、一番観光客が伸びている、世界中で一番観光客が伸びている国でしたので、その傾向は変わらないと思います。なのでそのニーズをしっかり受け止めて、観光立国に役立つように頑張りながらですね、とはいっても、すぐにアフターコロナの時代が来るわけではなく、ウィズコロナというのがしばらく続いてしまう、そんなときに、やはり外国人観光客を受け入れるということ自体が都民の方にとってもご不安があると思うんですね、なので、できれば、すでに弊社では保険商品というのを扱っておりまして、例えばその日本で具合が悪くなったら、彼らにとっても安心ですし、キャッシュレスで医療が受けられるみたいな保険商品になっているんですが、日本人の方にも例えばワクチン接種した場合に証明書にアプリがなるみたいなものをIATA(国際航空運送協会)が今推奨しはじめていますけど、そういったものをSDKというかシステム上WAmazingのアプリに組み入れてしまって安全を担保するとか、あと位置情報を取得しておりますので、例えばCOCOAのSDKなどを解放していただければそれをWAmazingアプリに入れることでですね、もし何らかこう感染拡大みたいなことになるときにしっかり経路を追えるとかですね、接触者が追えるとか、デジタルで解決できることたくさんありますので、安心、安全に配慮しながら徐々に国際交流を再開していき、中長期的には日本がもともと目指していた2030年の6,000万人観光立国に向けてですね、頑張っていければなと思っています。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。もうウィズコロナ時代の新しい旅のスタイルというのをつくるということですね。
WA加藤
そうですね。
ジャーナリスト浜田
これもでもデジタルがあってこそですね。ありがとうございます。山口さん今日いかがでしょう皆様のいろんな発表も聞かれて、どういう感想をお持ちになりましたでしょうか。
TBM山口
はい、各社やっぱりその単純にものを販売するというよりはその後のビジネスモデルなども非常に何か面白いなと思ってます。あの(手術の)術式をデータベース化していくですとか、ホテルとのレベニューシェアをしていくとかですね。人々のQOLを上げていくみたいな、けっこうすごい夢のある取り組みだなというふうに思っていますし、そういったそのビジネスモデルを検証していくために、やっぱりその東京都とか自治体というのは非常に適したフィールドがあるかなと思ってます。行動特性を把握したりとかですね、そういったこともできると思いますので。なので、こういった取り組みというのは広がっていくといいなと思いますし、私共の事例でいいますと、これちょっと別の自治体になるんですけれども、今ですね、我々排出される廃プラスチックを原料にした再生材っていう事業もはじめているんですけれども、自治体の中で出てくる廃棄プラスチックを集めて、それを再生してゴミ袋に生まれ変わらせてですね、それをその自治体の指定ゴミ袋として使っていただくみたいな一連の取り組みをちょっとはじめたりしていて、それであの普通の新品のゴミ袋に比べて、CO2の排出が半分になるとかですね、新しいプラスチック使わないで済むとか、あの行き場のなくなった廃棄プラスチックを有効活用できるというメリットがあるんですけど。そんななんかこう人々に動いてもらわなくちゃいけないみたいな取り組みも自治体とであればやりやすいというところもありますので、我々としてもどんどん生かしていきたいなというふうに思っております。
ジャーナリスト浜田
面白いですね。自治体がスタートアップの後押しをするだけじゃなくてスタートアップによって行政とか自治体の中の仕事のやり方だったりを変えたりとか仕組みを変えていく、行政のほうの改革にもつながるということですね。
TBM山口
そうですね、新しいことだとやっぱりルールメイキングみたいな要素も必ず入ってきますので、そういったところで自治体と実証できるというのは大きいかなと思います。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございました。では最後に仮屋薗さん全体の総括というかですね、今日の感想も含めてお願いしたいんですが。
グロービス仮屋薗
私20年以上ベンチャーキャピタルという仕事を通じてスタートアップのですね、支援、環境見て参りました。その中で今日のですね、あの4社のご登壇、それから実証実験の話を聞いて、これまでこんなに恵まれた時代はなかったんじゃないかと、これスタートアップがですね、やはりですね、企業を発展させていく上でこれまで行政ですとか大企業、それからですね資金の側面、それから海外からの注目、こういう観点でスタートアップはずっとですね壁にぶつかってきていたんですよね。これをですね、今回東京都という大きな行政のイニシアチブでこのバラバラになっていたさまざまなネットワークが1つのエコシステムになって、今回のようなまさにアーリーアダプターとしての場所を提供するという、こんな環境が生まれたということだというふうに思います。やはりこの非常に東京都というこのですねあのユニークな環境を利用して、今回のキングサーモンプロジェクトはですね、世界でも類をみない、ユニークな行政によるスタートアップ支援プログラムになっていくんじゃないかというふうに思っています。そういう意味でですね、日本初の行政によるエコシステム支援プログラムとして今後ともですね、今回第1回目だというふうに聞いているんですが、ますます進化していって欲しいなと、本当にそういうふうなですね、力強い、第1回目の皆様の発表を見て感じたところでした。
ジャーナリスト浜田
ありがとうございます。ぜひこれからも続けてやっていただいて、東京から私達がこんなユニコーンが日本にもあるぞというふうにこう言える日が来るといいですよね。今日本当に皆様、長時間ありがとうございました。ご視聴いただいた皆様もどうもありがとうございました、登壇者の方に画面越しでよいので拍手をお願いいたします。ありがとうございました。
DTC田中
浜田様ありがとうございました。またゲスト登壇者の仮屋薗様、山口様、および採択スタートアップの企業の皆様、誠にありがとうございました。以上をもちまして「東京都キングサーモンプロジェクト スタートアップ企業の成長と課題解決 ~スタートアップ都市・東京の実現に向けて~」を終了させていただきます。なお、この後、ブラウザ上でアンケートの表示がございます。お手数ではございますが、ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。改めまして、本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございました。